「みんな、なかよくし・・・。」おおかみが、そう言いかけたとたんに、しかも鳥も、みんなにげてしまいました。
このおおかみは、まえまでは、森の一番のあばれものでした。ところが、仲間のおおかみが、りょうしにうたれてみんないなくなってしまったのです。
そして、すばしこい、このおおかみだけがにこったのでした。
「ああっみんなとなかよくなりたいな。もし、なかよくなれたら、なんでもするのに。」
その話を聞いたおしゃべりなかけすは、あのおおかみに、うらみを持った動物たちに話してしまいました。
そうしたらたいへん。その動物たちは、おおかみにしかえしをしようと、わるだくみを考えました。
他の動物たちは、必死にとめましたが、相手はくまやとらやふくろうたちで、自分たちは、ねずみやたぬきやむしなので、なんともいえませんでした。
うらみを持った動物たちは、おおかみのところへいって「友達になりましょう。」といいました。そして、「ただしそれには、三つの事をしなければなりません。」と付け加えました。
その一つの事が千メートルあるといわれている「まっくら谷」から、とびおりて、また上がってくるという事です。
それをきいたねずみたちは、木のつるで、ネットを作り、「まっくら谷」全体にはりました。そしてトンネルかいだんも・・・。
そしてお昼ごろおおかみたちがやってきました。そしておおかみは「まっくら谷」にとびこみました。
「ひゅゅゅゅゅう〜。」
うらみをもっている動物たちは、これでもう、おおかみはいないと思ったとき、土の下から、ひょっこり出てきたのを見てびっくりしました。
次の日うらみを持った動物たちは、おおかみに二つ目の事を言いました。
「この山から、百キロはなれた「ひし山」の、ちょうじょうに生えているどんぐりの実を、千こ集めて「ひし山」からさらに百キロはなれた「かし山」のリスさんに、どんぐりを一つづつあげるのです。それを一日でです。明日やるから、じゅんびしてください。」と、言いました。
そしてその夜、ねずみたちは、ちかみちの地図と薬草をおおかみの家の前へおき、「ひし山」へいってどんぐりを千こ集めてふくろにつめておき、「かし山」へ行ってリスさんたちに、「明日おおかみが、リスさんにどんぐりをくれます。こわがらないでください。やさしいおおかみなんです。」と、千びきのリスさんにいいました。
次の日おおあkみは朝はやくおきて「ひし山」へ、向かいました。ちかみちの地図を持って・・。
ところがおおかみ、「ひし山」にいってびっくりしました。そこには「どんぐり(千こ)とかかれたふくろと、リスさんが千びき来ておまけに「かし山のリスです。」とまでいうのです。
そしておおかみは、夕方にかえれました。
それを見たうらみがある動物たちは、びっくりして三つ目の事を言いました。「しかのようにはね、鳥のように空を飛んだら、友達になりましょう。」と。
その日の夜、ねずみたちは、森中の鳥の羽を集めて作ったつばさと、人間のゴミすて場にあった、「鳥のようにからだがかるくなる薬」をおおかみの口の中に入れ、ばねを、足につけました。
次の日、おもたいおおかみが、鳥のように空を飛び、しかのようにはねたのを見て、うらみをもった動物は、その日の夜、おおかみの家を焼きました。
ところがその火が木にもえうつり、山火事になってしまったのです。うらみをもった動物たちはすぐひなんできましたが、他の仲間は、まだです。
そこへおおかみが、火の中にとびこみ鳥や卵、リス、ねずみ、くま、くまの子ども、とらの子どもなど、森の生き物をみんなひなんさせたのです。
そしてみんなぶじでした。うらみを持った動物たちの家族もみんなぶじでした。
ところが、おおかみだけは死んでしまったのでした。森のみんなは悲しみました。
そしておおかみは、森一番のえいゆうになりました。