むかしあるところに、
という名前のおとこの子がいました。
は、とてもなまけものでした。昼間でもずっとねているのです。
ある日、とうとうお母さんが物おき小屋でねている
をよんで、「さっさと起きて、はたらきに行きなさい」と、いいました。
はお日さまの下ではたらくのがすきだったので、牧場に行くことにしました。
はじめての日、
はいっしょうけんめいはたらいたので、一日の終わりにお金がもらえました。
はお金をハンカチでつつむと、ポケットに入れました。
家に帰るとちゅう、だんだんさむく、風もつよくなってきました。はな水も出てきます。そこで
はポケットからハンカチを出すと、チーンといきおいよくはなをかみました。お金のことはすっかりわすれていたのです!お金はチリンチリンと地面に落ちましたが、
はぜんぜん気がつきませんでした。
お家に帰ると、
はお母さんに今日の分のお金をわたそうと、ハンカチをひろげました。けれどもお金がありません。
はお母さんに「ちゃんとハンカチの中につつんだのに」と、いいました。
お母さんは、「なんてまぬけな子だろう。こんどはハンカチでなくて、ポケットの中にいれなくてはだめですよ」と、いいました。
つぎの日、しごとが終わると
は、ミルクのたっぷり入ったつぼをもらいました。ところが
は、お母さんがいったことを、すっかりわすれていました。
は、いっしょうけんめい考えました。ああ!そうだった!お母さんは「ポケットに入れなさい」と、いったんだ。そこで、
はポケットの中にミルクをドボドボッといれました。どうなったかわかるでしょう?
はお家に帰ると、お母さんにミルクがどうなったか、話しました。
お母さんは、「なんてまぬけな子だろう。つぼを頭の上にのせていれば、こぼさずにすんだのに」と、いいました。
つぎの日、
はたくさんはたらいたので、バターをいっぱいもらいました。ところが
は、お母さんがいったことをすっかりわすれていました。
はいっしょうけんめい思い出そうとしました。ああ!そうだった!お母さんは「頭の上にのせなさい」と、いったんだ。そこで
は、バターを頭にのせて、お家に向かいました。バターは頭の上でどんどんとけてきて、お顔にながれてきます。
その時、
は大きなおしろの前に来ていました。
はいつも、おしろの中を見てみたいと思っていました。そこでまどからこっそり、中をのぞいてみました。するとそこには、うつくしいプリンセスがいました。プリンセスは、とてもかなしそうな顔をしています。王様がプリンセスに、話しかけました。「おまえはいつも、かなしそうだね。わらったところを見たことがない。わたしはどうしたらいいのだろう」王様はそういうと、プリンセスからはなれていきました。
王様が行ってしまうと、プリンセスは顔を上げました。そしてまどのところにいる
に気がつきました。プリンセスは
をおしろの中によぶと、「どうして頭の上にバターをのせているの?」と、聞きました。
はそのわけを話しました。するとプリンセスは、あまりのおかしさにわらいが止まらなくなってしまいました。「こんなおかしな話は聞いたことがないわ。なんておもしろいのでしょう。おまえの名前はなんというの?」「ぼくの名前は
です」「どうぞもう一度、あそびに来てちょうだい。もっとおかしなお話を聞きたいわ」と、プリンセスがいいました。
そこで
は毎日、おしろへ行くと、その日にあったことをプリンセスに話しました。2人はどんどん仲よしになって、とうとう結婚することになりました。プリンセスはもうしあわせです。
もハッピー・チャッピーとよばれるようになりました。